語源でわかる三角関数

(1)語源
<円の美しさ>
昔々、ギリシャの数学者は円と角度の関係に魅了された。





 半径が1のときの弦の長さを全て調べて、弦なのでコード:chordと名付けて表を作った。
chord(60°)と表し、60°のときの数値を表から見つだすのである。
そうするとすごく便利なことになる。半径が2になると、その数字を2倍すると弦の長さが解るのである。

弦=半径×コード(θ)の公式が出来る。












<インドやアラビアにて発達する数学>
直角三角形のすばらしさが発見されて、角度を半分にすると、弦も半分になる。直角三角形でコードを考えるようになった。



このときの角度に対する弦の長さをコードと分けるためにストリング(toring)と名付けて、省略してsin:サインと記号かしたと私は考えている。
よって公式は
           弦=半径×sin(θ) 
となった。
この定理を日本では正しい弦の定理と考えて、正弦定理と名付けた



他には
正接定理
  ・正しく接している弦(接弦とここでは名付けた)との定理として
   英語ではtan:(tangent:接する)となる。
         弦=接弦×tan(θ)
余弦定理
  ・サインを補うために、余った角を中心と考えて見たときの弦(ここでは接弦)の定理として
   sinにco(compiementary:補う、補足する)をつけて 、co−sinを記号化してcosとした。
         接弦=半径×cos(θ)


<まとめ>
 正弦定理
・正しい弦の定理
        弦=半径×sin(θ)
(表より見つける。今は電卓で出る)
 正接定理
   ・正しく接している弦との定理
        弦=接弦×tan(θ)
(表より見つける。今は電卓で出る)
 余弦定理
   ・sinを補うための、余った角に対する弦の定理
        接弦=半径×cos(θ)
(表より見つける。今は電卓で出る)

(2)弦の見つけ方
@指定角を見つける
Aそこが中心になる。
Bその向かいの辺が弦となる
Cそれに正しく(直角)接しているのが接弦である。
D残ったのが半径になる。



(3)角度もわかる
<逆も真なり>
それぞれの定理で式の移項をすると表より角度を導き出すことが出来る。
 ・正弦定理より
   弦=半径×sin(θ)
                 弦 
     ∴ sin(θ)= ─── 
                半径
この比はsinの値なので今度は逆に表からsinの値を見つけて、次に角度を見つけて、角度を知ることが出来る。
       今は電卓が出してくれる。
                          弦
       この作業をθ=sin−1 (──── )  と電卓では表す。
                         半径

   同じ原理でそれぞれの定理の比を求めれば角度を導き出すことが出来る。
   これらの比のことを三角比と呼ぶ。

 ・正接定理より
   弦=接弦×tan(θ)
                弦
     ∴ tan(θ)= ─── 
                接弦
                  弦
       θ=tan−1 (──── )
                  接弦
 ・余弦定理より
   接弦=半径×cos(θ)
                 接弦
     ∴ cos(θ)= ────
                 半径
                   接弦
       θ=cos−1 (──── )
                   半径

(4)円から直角三角形へ
基本的な直角三角形を数学では考えるので弦・接弦・半径のことばが合わなくなった。
そこで、直角三角形に合わせるために、高さh・底辺X・斜辺aのことばや記号を使用している。



公式は
 正弦定理  高さ=斜辺×sinθ

 正接定理  高さ=底辺×tanθ

 余弦定理  底辺=斜辺×cosθ




直角三角形を重視するばかりに定理の名前と合わなくなった上に、三角形の向きが変わると、どの辺が基本の形の辺の名称になのか判らなくなり、どの公式を使用して良いのか混乱を招くことになった。
この様なときは語源を思い出して、それぞれに対応した名称や記号を代入し、使用すべき公式を考えると理解しやすくなす。


<注意>
 @choudをコードと発音しているがギリシャ語なので違っているかも知れない。
 Astringや接弦は私が勝手に考えていることであり、文献に載っていたものではない。


練習問題を付けて一太郎ファイルでダウンロード出来ます。

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